ヘリヤの世界のふたつめの物語ができました。
誰かがいるから、おたがいに呼びあえる名前があって、忘れないで、なくさないでいられるんじゃないかな──。《声たち》という見えないものが浮遊する辺境の地で、《結び手》となったリンゼイは、博士とともに探索の途につく。
『ヘリヤ記 II 《結び手》』
著:白井明大
装画と挿絵:カシワイ 装丁:辻 祥江
印刷:藤原印刷 製本:中永製本所
2025年5月18日発行
272p、文庫判、並製(雁垂れ)
本体価格:2,000円+税
発行:詩之友社
〈登場人物紹介〉
リンゼイ
第II巻の主人公。試しの山で《声たち》と対峙する試練に向かう。僧院屈指の資質を備え、歴代最高の《結び手》として将来を嘱望されるが⋯⋯。
博士
邦から派遣された科学者。ヘリヤ地方で起きた歪曲事象研究の第一人者であり、自身の知的好奇心と出世のためにはいかなる犠牲も厭わない。
《声たち》
かつて突如ヘリヤ地方に現れた、未知の存在とも特異現象とも呼ばれるもの。誓約を交わし、人間に力を貸す場合もあるが、依然として謎に包まれている。