江代充さん
今年いちばん大きかった詩のできごとの一つは、江代充さんのご逝去で、ふり返ったときに真っ先に思い浮かぶ。教会でご葬儀ミサが春にあった。よく晴れた日だった。詩人の最期とは、こんなにもその人の姿そのものになるのかと、江代さんを包む場の清廉さや、集う方々の心がありありと分かち合われる温かさ、ご自身準備なされていたことがうかがわれる死との向き合われ方、あらためて江代さんの詩が手許にあり、読めるその詩、そうしたすべてに心うたれる思いがいまも続いている。
江代さんの詩のことを書いた。ワークショップのまとめの詩誌『言葉を探す旅 Soil』に。一篇の詩のことを。
詩をこれからも読むことができ、江代さんの詩がずっとここにあるということが、どういうことなのか、いま感じている。詩人というのは死を以て別れながらも、それでもなお別れることがないと感じられるほどに、江代さんの詩が江代さんであると感じながら、やはりその人とその人の詩とはこんなにも重なっているのだ。