月への問い







生まれたばかりの月は
唯々不安でいて
せっかく真円になり満ちても
すぐに
また欠けてしまったりする

太陽は
そんな月のことをわかっていて
一日かけてゆっくりと
あるときは あったたかく
またのときは まぶしいく
光を月にとおくっている

やがて月の不安はおさまり
そんな太陽からおくられてくる光を
受け止め 受け容れ わが身の分身
、てそうなように
感じて 身につけていった

真円から 半円へ さらに細まり暗がりのなかへ
不安をくぐり抜けてからも
月が満ちてまた欠けて
そうをくり返していく
そのことに変わりはなかったけれど

不安でないのに
満ちては欠ける
不安とともにいた月の
不安を抱え
いつしか見すえ
そして月自身のこころの奥底の
大地と打ち解け
不安をそのこころの大地に帰した
そのなかで

不安をとかし 大地に帰して
満ちて欠けて 欠けて満ちて

太陽からおくられた
あったかかい まばゆしい 光

このいま
またあした
これから先 永遠にたどってつづく
月はダンスを舞い月としてある