目つむって
君みてては
吐く一褪せた息の
首すじかすめる位近くてて
後ろへ手差し出すとたん
淡い胸に当たってか
手引っ込め背すじ張って
も一度背中澄ませてく
後ろ隣りのすぐのところに熱もって誰か
いるいて
鼓動がテニスコートのボールの弾み音みたくて鳴る
足踏み出してく
一ぃ二ぅ三ぃ
振り向かない
ま上に鳥
四ぉ五ぅ六ぅ七ぁ
目開けったって堤防だけ
そして蝶向こうに白波
八ぁ九っつ十ぉ
そばのこの息と熱とも
十一ぃ十二ぃ十三ぁん
あるまま歩き連いてくれ来てて
十四ぃ十五ぉ十六ぅ十七ぃ
“十六ぅ十七ぃ十八ぁちぃ”
耳ふさいでったって聴こえる
トウキビの高い背分けたら
“五百十八ぁちぃ五百十九ぅ五百二十っ”
山羊の寝てる道端 そ、て行く
髪のてっぺんとこが立って揺されて
みえない指につままれられ
連いて来て来る
千一ぃ千二ぃ
“千三ぁん千四ぃ”
千五ぉ千六ぅ
“千七ぃ千八ぁちぃ”
目かくしされたって今
ころばないだはず