足をさし入れ
血をめぐらせると
指さきに砂の川の水のなかの
感触がし
叫ぶと
反対の岸にそびえる
崖と
崖のわきの林の川辺のぬかるみの木々の
深さに水がつめたさが
増す
足さきの砂がにじみ
爪の隙まから
溶け入り
来る
手だけ
川辺の丸石のうえの日の明るさの暖かいのを感じ
対岸の崖も林辺も
みえなくなっていると
とくに
気づかなくて良い