呼吸温







頭のうえにある
境を
かいんかいん
、て指関節で叩く

あくびしたくて堪まらなく
早く早く、て
爪で弾く

足元はるか遠くから
浮かんでくる
赤い風鈴

背伸びするように
間近で
速くなって

境を
簡単そうに
抜けていった

もういちど

ちとんてそん

開かない
もう息続かないよ
、て思って

吐き出した
、ら
あぶくの代わり

無数の
クラゲが
飛び出していった

肌を
髪を
まうえの空間を
鼓膜を

震わされ

くすぐったい
耳を押さえる



境が消え

クラゲが慌てて
隠れていた
あぶくを
跳ね散らかしていく