愛しいひとびとへ











  太陽がのぼり
  またしずみ
  月がうかび
  また去り

  そうして一日一日すぎていくあいだ
  親友も 肉親も 恋人も あなたも 誰かも 僕も
  生きていっていっています

  どこかで命が失われたり
  失恋したり
  絶望したり
  そうして太陽や月や星や雲や大気やが
  空をかごみ、うごめく下を
  毎日
  遊んだり
  勉強したり
  働いたり
  SEXしたり
  泣いたり 怒ったり 笑ったり うたったりして
  仲間も 敵も 知り合いも 見知らないけれどつながりのあるひとも
  こうやって生きていっていっています

  愛しいひとびとへ
   どうか
  すこやかであってくれ
   とねがいます

  精液も 愛液も 幾度も幾度も湧いてくる
   それが どこから来るのか
  本当のところからであればいいとのぞみます

  愛しいひとびとへ
  どこかで火花が飛んだ時には
  きみのことをおもいます

  どこかでラッパの響きが立ったら
  きみのことをおもいます

  愛しいひとびとへ
  ここへ来たなら
  ここから
  きみのことをおもっている
  この言葉の群れ
  詩やらものがたりやら散文やらがあることを
  どうか
  見知り
  感じおいてください


  愛しいひとびとへ


  愛しいひとびとへ