一日







  五月が終わっていく

  六月が始まろうとしてる

  窓の向こうにキリンなような馬なようなが覗けてる

  窓のこっちでは虚ろな現実を受け止めても受け止めても

  負けたくない負けられない夢が浮かんで浮かんでたまらなく叫んでる

  息が詰まっても空き缶はふえていく

  ビールはおしっこになって流れ

  河は多くの夢を眠らせていく

  ぼくが惹かれたのはカゴメトマトケチャップ

  その看板に見守られるような船は川上へ

  航跡が曇り空を抜けてきた光を反射させ反射させ

  こっちの視界へ届けてくる

  妄想のせいにしないで

  三時間だっていい

  自転車は坂に行き着き登りだって苦じゃあない

  いくつ何回ゴミ袋出したって

  何べんくじかれてどんだけ責められたって

  明かりは灯ってる

  へこたれて上見られない夜さえ越えたら

  わが家のスピーカーはちゃんとうたうたって

  同じ一日なんてない