ドキドキのゼンマイ







なんか今とても
ドキドキして
いつもならきみに電話なりメールなり
してしまいそうな
ところだ

こういう気もちを
パソコンの画面に向けて
キーがちんがちん
うちの親指シフトは
そんなふうに打つ感じになるので
がちんがちん打って
きみのメールアドレスへ
送信したくなる
、てそんなふうに

もうきみが
聞き飽きたよ
そんな一生懸命に
ならなくていいよ
、て言葉をまた沢山
言いに
携帯を
お家に掛けると
もしもきみじゃなかったら
なに言っていんだか
分かんなくて
だからきっときみが出る
、て決まってる携帯へ
電話をもう
してしまっているに決まってる

でもしない
しない
、てことに決める
今日のところは
だって
気もちにはゼンマイが
あるから
そのゼンマイは
時たまには巻いたげないと
延びっぱなしじゃ
もう走れないから

僕たちみたく
一杯一杯つっ走る
僕たちみたくては
ゼンマイをよぅくよぅくて
巻いたげなくちゃ
ならないような
そんだけ一杯一杯
きみとここまで
つっ走ってこれて
よかったァ
、てまたきみが
もう沢山聞き馴れてる
ことを言ってしまう
だからゼンマイを
巻いたげないといけない
今夜は
そういう
今夜なんだ

でもこうして書いてる
こうしてこうして
このドキドキたら
なんでこんなに
、て毎日のこと
毎時のこと
何時ものこと
ドキドキを繰り返し
きみのことをかんがえてたり
かんがえてじゃなくておもってたり
かんじてたりおもいだしてたり
空想したりしてたりして
ドキドキを繰り返してる

不思議ですか
不思議です
そんなじゃありません
不思議でないです
不思議だとおもいたくて
不思議だとおもってしまう
不思議だ、ていう言葉に
込めたくなるこの
いまの気持ちがもう
ドキドキでできている

なんていうことのない
この夜が
なんてことのなく
過ぎていって

きっとゼンマイが巻けている
僕のエンジンの
ゼンマイ
僕がきみとつっ走る
それのためのゼンマイ
きみのゼンマイも
巻いてぁる
そうなはず
どっちか片っぽ
、ていうことはなくて
どっちもか
ゼンマイは巻いてぁる

だから僕たちはまた
明日
おはよう
そうしてから
走ってく
つっ走ってく
そうの先にある
その全力疾走の
動悸が
もういま
この
ドキドキだから

なんて書いてしまいたくなる程
もう僕は
もうもう
ドキドキしてる

ドキドキとしている

んです