8月の空白







8月のなかには空白があって
ぼくをいつも
飲み込んでやるぞ
、てする

ずいぶん長いことそうだったから
ぼくももう相当なれっこ
なはずだった
ああまたきたか
、て感じと言うか

なのに
ことしの8月が
あらわれた
とたん
いつもよりずっとようすがちがうのに
気がついた
これ
、て
あんときみたいじゃん

空白はとてもまっしろい
というか空白だからなんにもない
でいて
こっちの思いように合わせて
どうにでも変わる

いくらでも
なかにひきずり込めるように
うようよしてる
けして安心させてくれない
考えてもどうにもならない
気にさせられる

こんな8月は
久しぶりだ
去年なんかのより
まっしろすぎる
まっしろがまっくろのように
重たくみえて
むこうまで
つまっている

これとよく似た8月には
むかしさんざんな目に
あわされてる

8月の空白のやり過ごし方を
ぼくはまだ覚えてるだろうか

、て書くより

ぼくはこんどこそ
うまくやれるだろうか?

ああ こう書いたほうが
正確か

空白に
手をのばしても
しかたがない

空白
、て何んだ

ときかれても
教えようがない

空白は空白なのだ

それは
……よくわからない

ただぼくは
8月に入ってせっかくつゆ明けで
ようやくやって来た夏が
うれしい
、て思う間もなく

8月がそれあり?
、てくらいすごい空白をたたえているのに
気がついて
クーラーのせいじゃない
つつと冷たさを感じだしている

なんでそんなもん
たたえてきたのか
今年の8月は空白をたたえてきて
なかにいっぱい空白を詰めてきて
それでどうしよう
、てつもりなのか

あ だんだんと腹がたってきた

なぁそこにすわれよおい

ぼくは説教を始めようと思う

つまりぼくだって
それなりには
大人になってんだ
、てことをさ

いいかぁ8月っていうのはさぁ…