南国の机







  そこに投げたくて
  ほうると
  ミットは別なところを構えていたりして
  キャッチはどっかの
  コピー反古に紛れていく
  ならと
  反古の山をも一度
  ひっこ抜いて 一本 一本
  書きつけていくのに
  こんどは投げたいゾーンが
  どこにあんかなとさぐってだから
  はやくはいかず
  迷ったりわかんなくなったり
  あっち書いては消し
  こっち消してはまた加え
  直しが手のなかでやまない
  顔をあげると
  ずいぶんさっきから〆切りの
  近くまでなっていて
  震えだす催促の違う件の用事に
  急かされて
  かえって幸いして
  迷ってわからなくなっていた地点から
  ずいぶん高く引いて見える位置に
  来られていて
  はいこれ
  渡すとそれで通って
  手を振って帰った
  別件 別件と