刻々







  ほんの時折
  言葉を無数に費やしたそれが
  いつものような虚無とならず

  ほんの時折
  言葉を無数に積み重ねたそれが
  誰か
  何らか
  つたうことがあり

  ほんの時折
   ほんの時折

  こだまがし
  こだまがしたような気がし

  ばらかっていった
  かつての言葉の淵まで
  まるで何か意味があったかのよう
  それぞれにそれぞれがあったのを
  憶い出せて
  好い